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松葉屋家具店という仕事

はじめに|「100年先も引き継がれる暮らしの道具」を届ける。

創業1833年の松葉屋家具店は、私、滝澤善五郎で7代目を迎える家具店です。祖父母の代よりもずっと前から、役所や学校の家具のほか、家庭の暮らしの道具をつくり続けてきました。そして今も昔と変わらず、長野県の善光寺門前町で家具をつくり、届けています。

そんな松葉屋家具店がずっと大切にしているのは、
「100年先も引き継がれる暮らしの道具」を届けること。

かつてこんなことがありました。
ある学校からの依頼。それは、何十年も昔に松葉屋でつくられた家具の修理でした。毎日生徒に磨かれ、ずっと大切にされてきた松葉屋の家具。その家具に触れたときには、松葉屋の先代から、さらなる100年を託されたような気持ちを抱きました。

家具は、暮らしの時間を重ねるものです。 そして、つくり手である私たちとの時間も重ねています。

磨かれ、締め直され、手を加えられ、何代にも渡り引き継がれていく家具が物語るように、100年先を見通したものづくりをすること。これが私たちにできることです。

時代が変わり、どんなにテクノロジーやエネルギーが発達しようとも、自然の恩恵に感謝して、人の手から生まれるものを正直に届けるという命題は、創業当初から変わりません。

「100年先も引き継がれる暮らしの道具」を届ける。

その想いを実らせることが、松葉屋家具店の仕事です。

松葉屋のものづくり

一枚板のテーブル

樹齢200年の木は、楽しい時、嬉しい時、そして、傷や汚れも含めて家族の時間をすべて受け止めます。
家族でたくさんの時間をかけて、たくさんの傷を天板につけてください。
傷をみんなで手入れすることで、そのテーブルは本当に家族だけのものになっていきます。

手を加え、大切に永く使っていく。

その時間の中でしか生まれない愛着。ものを大切にする気持ち。ものを愛する気持ち。
そんな心が、樹齢200年の一枚板を通じて、家族ひとりひとりの中に育むまれるのです。

一生使える学習机

引出しの裏板にいたるまで、樹齢100年以上の国産広葉樹の無垢材、塗装は食用の亜麻仁油と蜜蝋、接着剤は膠(ニカワ)で仕上げた松葉屋の学習机。
かつて私自身、新築の家への引っ越しを機に息子がシックハウスの症状を発症したことから、安心できる暮らしの中の道具とは何かを考え、自然素材にこだわった暮らしの道具の理想のひとつです。
化学物質を極力無くし、使う人の体と環境に負担をかけない素材でつくられているものであること。
そして製作過程でも、つくる人の健康や環境に負担が少ないことが、松葉屋のものづくりの基本です。

アートギャッベ

イラン・遊牧民カシュガイ族が手織りする絨毯ギャッベ。
美しいギャッベは家族の居場所になります。
そんな暮らしの道具となるゾランヴァリのアートギャッベを紹介しはじめたのは、2007年のことでした。
現在に至るまでには、イランへの訪問、アフガニスタンの学校設立、教材の出版などを手がけてきました。
これらはすべて、ギャッベのつくり手の暮らしに寄り添いたいという想いから。
そして、ギャッベがいつまでも家族の宝になるように、お手入れやメンテナンスも引き受けています。

きもちのいい椅子

松葉屋では約60脚の椅子に座っていただくことができます。
座り心地、木目の風合いや佇まい、つくりに無理のないデザインなど、いくつも比べてきた中で選んだきもちのいい椅子たちです。
日本の職人が手がけた椅子を届けています。

修理・再生・メンテナンス

本当にいい暮らしの道具は、何度でも直して、使い続けられること。
松葉屋では愛着もって使い続けた家具を簡単に捨ててしまうのではなく、修理・再生することで家具の寿命を延ばし、思い出の詰まった大切な生活道具として生まれ変わらせたいと思っています。
これまでに、椅子のクッションの張り替えや破損の修理、桐ダンスや棚などの塗り直しや修理、テーブルのサイズ変更など、様々な修理・再生を行ってきました。
100年先のものの行く末を見通したものづくりのひとつです。

ものづくりにかける3つの想い

1.「山と森、木と人々の暮らし」を一本の糸でつなげる

暮らしの道具の向こうには、「山と森、木と人々の暮らし」があります。
イランのゾランヴァリに置き換えるなら、「大地と自然の恵み、羊と織り子さんの暮らし」があります。
その全部を見通したものづくりがしたい。
どこかに無理があっては、本当にいいものづくりとは言えません。

2.いいものをつくる

「本当にいいものづくり」とはどんなものでしょうか? 松葉屋がつくる暮らしの道具は、職人さんをはじめ、たくさんの人の手に支えられています。木の伐採から運搬、製材から工房での製作。

ひとつの家具ができるまでには、途方もない時間と人の手が携わっています。「ウソがないこと」「最初から最後まで見渡せること」が、本当にいいものづくりの基礎ではないでしょうか。 私たちは暮らしの道具をつくるだけでなく、ものづくりの裏側にある想いやプロセスを冊子やお手紙で紹介しています。本当にいいものを伝えることも、私たちのものづくりです。

3.時間をつなぐ

新しいものをたくさん世に送り出すことが、ものづくりではありません。
役目を終えて廃棄されてしまうような暮らしの道具や、引き継がれてきた家具にも、もう一度意味と価値と命を与えることがものづくりです。
私たちは何度でも、磨き上げ、締め直し、手を加えます。
一度は価値がなくなったと思われるようなものでさえも、100年先まで引き継がれる暮らしの道具に変えて、時間をつないでいきたいのです。

3つの想いを実らせる日々の仕事

店と街路空間を磨くためになんでもやること

掃除は空間を磨きます。
だから松葉屋の朝のはじまりは掃除から。
あたりまえのことを、ただ淡々とつづける。
磨くために厭わずなんでもやる。
松葉屋家具店を磨き、街路空間を磨く。
そこから私たちのものづくりがはじまります。

想いを伝える接客

私たちの仕事は売ることではありません。
「100年先も引き継がれる暮らしの道具」を届けることが、私たちの仕事です。今では、伝え方は実にさまざま。

だけどずっと変わらず大切なのは、人から人へ言葉で伝えることです。
だから私たちはなるべく、自分たちで暮らしの道具を届けにいきます。
ものづくりの過程も見にいきます。
森へ行き、家具になる前の木にふれることもあります。
もちろん、お客様一人ひとりの声に毎日ふれることが、すべてのはじまりです。

つくる

いくつもの家具にふれ、たくさんのお客様の暮らしに出会うことで、本当にいい暮らしの道具とは何か?という感覚が培われています。
職人さんの声や想いにも直接ふれられるので、ものづくりがもっと愉しくなります。

CADや手書きで図面におこして、家具をつくることもあります。
とはいえ、発注や納期、運搬に追われて、忙しくなることも少なくありません。
それでも、暮らしの道具にふれる日々が、ものづくりの真意を深めているように思います。
図面やプランを職人さんに伝え、製作を管理します。

将来、家具のデザインに携わりたいと思っている人にとっては、知識だけでなく、手の感覚を蓄えることにもなるかもしれません。

家具は空間を左右します。
建築設計や空間デザイン、あるいは、いずれは何かしらのお店をもちたいと考えている人にとっては、心地よい場所づくりのヒントになるかもしれません。

テクノロジーが発達するほどに、人の手や感覚から生まれるものは、価値が高まると思っています。
なぜなら、暮らしの道具は、五感をもってしてつくられているから。

料理にも同じことが言えるかもしれません。
手軽に簡単に、何でも手に入る現代で、本当においしいものには、やはり人の手仕事やその場で交わす言葉があります。
そして、無理がなく自然なものほど、おいしいのです。

無理がなく自然で、本当にいいと言えるものづくりを、松葉屋家具店は続けていきます。

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TEL 026-232-2346